第13章 〜絆を確かめて〜
おそらく何処かに身を潜めて奇襲の機会をうかがっているんだろう。
渚君もだけど…。まぁも予想がつかない。
転入初日に見せたコロ先生への二度の触手破壊以来、目立った暗殺は特になかった。
けど、俺はあの時直感した。
俺に似て、俺にはない才能を持っていると。
となると、俺の想定外の行動をとる……。
しばらく様子を伺うしかないか。
まぁちゃん、君にはきちんと落とし前つけたいしね………。
『コロ先生、もう少し隙間空けて!』
コロ先生が黙って足の隙間を空ける。
カルマを探す………。
『いたっ…!』心臓がトクンと音を立てる。
思えば、私から…告白してキスして………。
殺意を弱めるためとはいえ、あんな…キスして………。
いや、今は集中しなきゃ!
カルマは全体が見渡せる地上5mの木の幹にいた。
カルマが無線に気をとられている。今だ!!
私は、コロ先生にあらかじめお願いしていた合図と共に、触手をトランポリン代わりに、高く飛んだ。
まるで…天使が舞い降りるかのように………。
ペイントナイフを握り、カルマめがけてふり降ろす。
カルマがすかさず振り向く。
『さいっこうだよ!まぁちゃん…』
逆光で一瞬反応が遅れたが、寸前でかわす。