第13章 〜絆を確かめて〜
あの話を聞いてから、すぐに冬休みに入った。
誰も暗殺はしなかった。
冬休みが明ける直前、クラスのグループトークにメッセージが入った。
渚からだ。
「話があるんだ。みんな、明日の13時に裏山に来てほしい。」
私はまだ悩んでいた。
自分の前世。夢で見ていたのは、コロ先生を思い出さそうと前世の私が願っていたから。
人間だった頃のコロ先生を愛していた彼女は、果たして本当に先生の死を望んでいるのか。
私は……あの先生を殺すことはできるんだろうか。
ーー裏山ーー
渚『みんな、来てくれてありがとう。』
寺坂『お前が招集かけるなんて珍しいな。
で、話って何なんだよ!』
渚『コロ先生を助ける方法を探したいんだ!』
E組(……………………。)
倉橋『はぁーい!私賛成!まだまだたくさん先生と生き物探したいもん!』
片岡『渚が言い出さなかったら私が言ってたところだよ!』
前原『俺も磯貝も単純でさ、助けたいから助ける!』
渚『みんな……。』
中村『こぉーんな空気の中、言いにくいけどさ、私は反対。
アサシンとターゲット、それが私たちの絆だって先生は言った。』
寺坂『渚、お前、助けるったって具体的にどーすんだ?』
渚『で、でも…。』
村松『今から助かる方法探して…もし見つからずに時間切れしたらどーなるよ?』
寺坂『暗殺の力を一番つけた今の時期によ、それを使わずに無駄に過ごして…タイムリミットを迎える事になるんだせ?
あのタコがそんな半端な結末で、半端な生徒で喜ぶと思うか?』
渚『で、でも、考えるのは無駄じゃない……』
カルマ『才能ある奴ってさ…何でも自分の思い通りになるって勘違いするよね。
ねぇ……。渚君。
ずいぶんと調子乗ってない?』
まぁ『カルマ君…』
渚『えっ…』
カルマ『E組で一番暗殺力があるの渚君だよ?その自分が暗殺やめようとか言い出すの?
才能が無いなりに…必死に殺そうと頑張ってきた奴らの事も考えず。
それって例えるなら…モテる女がブス達に向かって、たかが男探しに必死になるのやめようよ〜とか言ってる感じ?』