第8章 〜夢〜
『死神さん!あっちの果物買ってもいい?』
『あぁ…。好きなものを買いなさい。私は向こうでパンを買ってくるよ』
老人『お嬢さん…綺麗だね。ワシに絵を描かせてくれないかい?』
そう言って老人は写真のような画力で絵を差し出す。
これ………私……?
老人『では、お金を…』
お金を持っていない事を告げると、老人は、戦争で負った傷で足がほとんど動かず、絵を描いてわずかな収入でその日をしのいでいるという。
『その絵は差し上げるよ…。』
その優しさに胸を打たれ、涙を流す。
その涙が老人の足へ触れた。
遠くに見慣れた人影を見つけると、私は駆け寄る。
そして、彼の胸へ飛び込むとそのまま意識を失う………。
ガバッ………。
また…夢…。
ー5時間目ー
ダメだ………。眠気が………。
『喋らないで!すぐに治すから!』
『ダメだ…。その力は君の命をけずる…。ガハッ…ゴホッ……!』
若い男が血を吐く…。
『死神さん!』
コロ先生『まぁさん!起きて下さい。まぁさん…!』
『死…神さん……』涙がとまらない。
コロ先生『……………!』
『あっ………!コロ先生…私また……。ごめん…なさい。』
コロ先生『まぁさん、放課後少し話があります。
お時間いいですか?』
コロ先生はいつもと変わらない優しい口調で私に言う。
『はい…』
カルマ『まぁちゃん、大丈夫?
俺、教室で待ってるから。』
『ありがと……』