第7章 天才と変化
オレが痙攣するそこから指を引き抜くと、桃浜は少し身じろぎした。
オレの指は桃浜の出した体液でドロドロで、皮がふやけてしまっていた。
自分の指をきれいだと思ったことはないが、この光景は好きになれそうだった。
目線をずらして自分の下半身を見た。
まあ見るまでもなく、いきり立ってズボンを膨らませている。
痛いほど窮屈で仕方ない。早く脱ぎたい。
まず手を拭かないと、と思ってポケットからティッシュを出した。
「私にも、ちょうだい」
桃浜がホワイトボードにもたれかかりながらオレに言った。
彼女の体液はダラダラと脚をつたい、膝下までしとどに濡らしていた。
別にそのままでいいのに。エロいから。
そうは思ったが、2,3枚ティッシュを引き抜いて渡してやった。
オレはカチャカチャとベルトを外し、ズボンのジップを降ろし、パンツを下げる。
熱く充血したものがしなり出た。ここまで固くなったのは生まれて初めてかもしれない。
サッと桃浜の方に顔を向けると、彼女はちょうどパンツを穿き直しているところだった。
「んっ?桃浜?」
「えっ?なに?」
「いや、え?何してるんだよ」
「えっ?」
桃浜はオレの股間に目をやり、
「もしかして、したいの?」
と言った。
「あ、まあ…そうだ。したい」
おい、察してくれよ。
「え〜?ダメだよ」
服を整え終えた桃浜は、平然とした顔で歩き出し、オレを横切った。
先ほどの情事は嘘だったんじゃないかってくらい、冷たい背中をしていた。
「ダメだよ。だって私、伊豆くんのこと嫌いだもの」