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【HQ】サンカク。

第1章 三角形 case1


今日の会話を振り返ると、やたら私をお姫様扱いしたがるこの人の抱っこなんて、絶対に横抱き…所謂お姫様抱っこだろう。
そんなの恥ずかしすぎるし、荷物と私を同時に抱えようとか、どれだけ体力あるつもりなの、黒尾さん。

考え事をすると黙ってしまう悪い癖がまた出た。
わざわざ送って貰っているというのに無言なんて、変な事を言われて気分を害したみたいにみえるだろう。

「…そういえば、遠征ってどちらまで行かれるんですか?」

当たり障りのなさそうな会話でしのごうと声を掛ける。

「宮城県まで、だな。猫又監督のツテで。色んなトコと練習試合やるって話だ。」
「宮城っていうと白鳥沢とか、ですか?」
「んな有名なトコとやれるチャンスねーよ。…ゴミ捨て場の決戦って知ってるか?」

返答にまた質問で返したり、逆に質問されたりを繰り返して話を続けた。
高校バレーで有名な学校の話だったり、何やら音駒と因縁がある高校の話だったり。
色気らしいものは全くない。
元々、バレーボール繋がりで知り合ったんだし、それは当たり前の事で。
お互いに前を向いたままの会話でもそれなりに盛り上がって家まで辿り着いた。
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