第6章 ※‐case3‐ending.※
…いや、そもそも。
気持ちが離れたりする以前に、私は、リエーフを愛していたんだろうか。
私を愛してくれる。
私だけを見てくれる。
浮気されるのが嫌だから、その不安が無い相手として付き合う。
それだけだったような気がする。
会えなくても平気だったし。
寧ろ、会いに来てくれてるのに、地味にストレス感じたりもしてたのは、愛?
違うよね。
「リエーフ。」
「ん?」
「ごめん。恥ずかしがってる訳じゃ、ないんだ。」
「じゃ、なんでオッケーくれないんだよ?」
「他に好きな人が居るの。だから、リエーフとは結婚出来ないし、もう付き合えない。」
取り返しのつかない状況になってるのも分かってる。
でも、やっと自分の気持ちに気付けて、声に出せて、楽になった。
「どうしても、ダメ?」
「駄目。ごめんね。」
私を捕える、あの瞳が向いている。
今まで、自分の気持ちに蓋をする為に、わざとこれに囚われた。
捕まったフリ、してた。
だけど、もう流されない。
「…あーっ!もうっ!分かった!絶対に、さくらよりイイ女と結婚してやるからな!そん時に、後悔しても知らないぞっ!」
譲らないのを分かってくれたのか、リエーフは捨て台詞を吐いて去っていった。