• テキストサイズ

【HQ】サンカク。

第5章 ※三角形 case3※


取り敢えず、寝室に入ったけど、眠れる訳がない。

気付いた筈なのに、何も言わなかったのは、何故だろうか。

自分も、今までやってきた事だから、怒る資格がないと思ったのか。
自分が、浮気を責められるのが嫌だったから、人にはその嫌な事をしないだけなのか。

それとも、
私が浮気していれば、これからは浮気しやすくなるから、泳がせたんだろうか。

考えている内に時間は過ぎ、寝室の扉が開いた。

「アレ。お前、起きてたの?」

入ってきた秋紀は、何も読めないヘラヘラとした笑いを浮かべている。

「…秋紀、あの…。あの、さ。話が…。」
「それより、買い物が先な?話は帰ってきてから、いくらでも聞くぞ。」

いっそ、自分から白状して、謝ってしまえば楽になれると思ったけど。
秋紀は、それを許してはくれず、私の手を取って立たせた。

かなり近くに顔があるのに、目を見てはくれない。
すぐに離れた手は、震えていた気すらした。

やっぱり、私の浮気に気付いている。
そんな状態で、何を買いに行くつもりなんだろうか。

「秋紀、何か欲しいものでもあるの?」

私が毎回やるように、お金での解決をしようとしてると思ったのに。

「ん?虫除け。」

答えは、まさかのこれで。

それくらい近所のドラッグストアで買ってこい、と突っ込みたくなってしまった。
/ 304ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp