第5章 ※三角形 case3※
私が秋紀の浮気に気付いて、喧嘩して、仲直りエッチ。
一連の事が終わると、秋紀は少しの期間だけ、浮気をしなくなる。
その間の休み前には、ほぼ秋紀が泊まりに来るんだけど。
金曜日の夜に、運悪く、仕事の関係で遅くなる事が決定してしまった。
【メーカーの飲み会に誘われた。今日は遅いよ】
【なら、明日行くわ】
合鍵あるんだから、待っててくれても良いのに、とか。
ちょっと、ワガママな思考が浮かぶ。
でも、可愛くない上に、面倒臭い女になったら、それこそ終わりだ。
【じゃ、また明日】
簡素な文章で連絡を済ませると、飲み会が開催される居酒屋に向かう。
同行する予定の上司は、私と一緒に歩くのが嫌だったようで、遅れてくるそうだ。
そりゃ、ヒール込みで180越える女を連れ歩きたい奇特な男なんて秋紀しか居ないだろうし。
そこについては、仕方がないと諦めはつく。
ただ、一人ではメーカー相手に何を話せば良いのか分からないのは問題だった。
飲みの席で、延々と仕事の話は無いだろう。
だからって、友人でも無いのに、雑談ばかりと言うのも…。
「小熊さん、こんばんは。」
悩んでいる内に目的地に着いていたようで、うちの会社を担当してくれている人が店の前で出迎えてくれる。
その人の隣には、今の状態の私より確実に大きい男の人が立っていた。