第5章 ※三角形 case3※
私は、秋紀に勝てない。
結局は、何をされても許してしまう。
それは、こんな時でも変わらない。
「ゴムねーから、生で良い?責任取るし。」
表面上の軽い言葉だろうに、これの拒否も出来ない。
ショーツが脱がされて入り口に当てられた熱が、躊躇無くナカに入ってきた。
「すっげ、グッチャグチャに濡れてんだけど?」
吐息に混ざる楽しそうな声に反応する間も無く、身体の奥を掻き回す熱。
「ンッ、あぁっ!」
快楽に負けて、声を抑える事は出来なくなった。
律動的な動きと、肌が触れ合う度に部屋中に響く音にズルズルと流されて。
そのまま、中出しまで許してしまった。
「…ホントに出来たら、どうすんのよ?」
「だから、責任取るって。」
「金出すから堕ろせとか言う?どうせ、誰にでも同じ事言ってんでしょ。」
「お前、マジ可愛くねーな。浮気は浮気。出来たら困る相手と生でヤらねぇぞ。」
「浮気してる時点で誠実じゃないからねー。自信満々に言わないで。」
事後にこんな話をするのは、いつもの事で。
これで別れるとかは有り得ないから出来る喧嘩。
もし、本当に険悪になってしまうなら、私は口を閉じるだろう。
他に、愛してくれる男なんか居る筈がないのだから。
秋紀を手放したくないと、本気で思っていた。