• テキストサイズ

【HQ】サンカク。

第3章 三角形 case2


‐田中side‐

ノヤっさんに話すべきか、話さざるべきか。
練習中は、何も考えられなかったが。
最初っから、そんなモン考える必要なんかねぇよな!
ノヤっさんは、こんな事で何か言うようなちっせぇ漢じゃねぇんだ!

「さくらさんはっ!俺の事が好きなんだ!」

勢いよく、顔を上げながら言葉を吐き出す。
周りが、シンとしたのが分かった。
信じちゃいねぇのか、ヒソヒソと話してるのが聞こえてくる。

「そーか!さくらさんは、龍の魅力が分かるお人なんだな!」

そんな中で、一人だけ嬉しそうな顔をしてくれたのはノヤっさん。

「だが、俺は負けねぇ!さくらさんは、俺の女になる人だ!」

意気込みを示すように、両手を握り締めて掲げている。

「龍!お前は今から俺のライバルだ!絶対にお前に勝って、さくらさんを俺のものにしてやる!」

ビシッと、俺を指す人差し指。
ホンット、ノヤっさんはイイ男だぜ!

「おぅ!いくらでも、かかって来いってんだ!」

売られた喧嘩は買うモンだ。
当たり前のように言い返して…。

あれ?
なんで俺、この喧嘩買っちまった?
俺は、潔子さん一筋だと心に決めた筈だろ?

後から、買った喧嘩の意味に気付いた。
/ 304ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp