第3章 三角形 case2
‐田中side‐
昼休憩が終わり、体育館に戻りながらさくらさんに連絡をする。
ノヤっさんは、あぁ言ってくれたが、俺的にはさくらさんにも、もっかい謝んねぇと気が済まねぇ。
メッセージを送って、数秒で既読がついた。
…が、返信は少し待ってみてもナシ。
既読になっただけ、ノヤっさんよりかマシだが…。
…って、オイ!
マシってなんだよ、マシって!
これじゃ、俺もさくらさんが好きで、ノヤっさんと張り合ってるみたいじゃねぇか!
ノヤっさんは、潔子さんは皆のものとか言ってたが、俺にとっては断じて違う!
あの人こそ、俺の愛する人だ!
体育館に入る前から、こんな事ばかり考えて。
「潔子さん!俺と結婚して下さい!」
その人を見付けるなり、愛を叫んだ。
「…お断りします。」
こう冷たく返されても、胸の奥がキュンとなる。
これが、恋ってやつだろ?
「またやってるよ、田中のやつ…。」
「ほんと、懲りないな…。」
外野から、呆れた声が聞こえても気にならねぇ!
男、田中龍之介。
俺は、やっぱ潔子さんへの愛だけで生きる!
そう決めた高校二年の冬だった。