第3章 三角形 case2
‐西谷side‐
冬休みだって部活はある。
春高が決まっただけに、俺の毎日は忙しい。
だが、その中でもさくらさんに連絡すんのは、欠かさないようにしてる。
なのにっ!なぜ!
「さくらさんから、連絡がないっ!」
昼飯の最中も、何度も確認した。
それでも、既読にすらならないのは、どういう事だ!?
まさか、さくらさんの身に何か!?
「さくらさんって誰だよ?」
「さくらさんはさくらさんだっ!美しい女性だっ!」
「だから、どういう関係の人か聞いてるんだって。」
「さくらさんは、俺の女になるべきお人だ!」
「それ、西谷が決める事じゃないだろ。」
一緒に飯食っていた力と話していると、龍がいきなり頭を下げた。
「ノヤっさんっ!スマンっ!」
「何で龍が謝んだ?」
「俺、昨日、さくらさんの事、怒鳴っちまった!ノヤっさんの告白、疑われて、カッとなっちまって…。」
よく分かった。
だが、龍が謝る事じゃねーな。
「龍!男は、そんなすぐに頭下げんじゃねぇ!俺の為に怒鳴ったんなら、堂々としてろ!」
連絡取れなくなってんのは、龍の所為じゃねぇ。
俺の魅力がさくらさんに伝わってないだけだ!
「龍も男を上げたな!友の為に怒れるのは、真の漢だっ!」
「ノヤっさんっ!」
ヒシッと龍と抱き合い、熱い友情を誓い合った。