第3章 三角形 case2
その後の2人は、何故か奇声を上げてジタバタとして。
番号を教えて貰えるまで、数分の時間が掛かった。
それで完全にお開きとなり、冴子ちゃんが送ってくれると言うので、そこはお言葉に甘える事にする。
2人とも、玄関まで見送りに来てくれた。
「さくらさんっ!俺、絶対に連絡しますからっ!」
「…うん。何でも聞いてね?」
夕くんに、手を握られる。
驚いたけど、不愉快ではないし、笑って返した。
龍くんの方は、チラチラ私を見てるけど、何も言ってくれない。
片方だけを構うと拗ねてしまう所があるのかな。
然り気無く、夕くんの手から逃れて、龍くんの手を握った。
「なっ!ななっ!」
「龍くんも、分からない事があったら連絡してね。」
「あ、アザーっす!」
どこか、アワアワしていて聞いていない気もしたけど、お礼を言ってきたから大丈夫みたいだ。
龍くんの手を離し、2人に手を振って、冴子ちゃんの車に乗り込む。
進み始めた車の中から外を覗くと、2人はしっかりと頭を下げていた。
それも、見えなくなるまで。
体育会系の男の子は、礼儀正しいんだな、なんて感心する。
2人には、かなりの好感を持っていた。