第1章 三角形 case1
翌朝。
前夜の話の通り、両方の監督に話をして。
理由も納得はいったのか了承して貰えた。
寧ろ、音駒の監督には喜ばれすらした。
「…と、言う訳で、だ。合宿中に必要な事があったら彼女に頼みなさい。まぁ、今回は夕方に帰るからそんなに用はないと思うがな。」
笑いながら言ってる猫又監督。
一応紹介を、として貰ったのは良いけどいきなりの用済み宣言はないんじゃないか。
突っ込みたいのは山々でも流石に監督相手にそんな事言える訳がない。
「梟谷1年の小熊さくらです。皆さんがベストを尽くせるようにお手伝いさせて頂きますね。」
自分からも挨拶をして頭を下げる。
「じょ、女子!憧れの女子マネージャー!」
「あ、昨日の!俺、犬岡!宜しく!」
顔を上げて目の前を見ると、やたら感動している人はいるし、昨日の1年生はテンション高いし。
まぁ、テンション高いだけなら木兎先輩で慣れてるけど。
「山本、そういうのヤメロ。だから女子に引かれるんだよ。」
感動している、山本さんを止めている人は他に比べて背が低い。
リベロかな。
なんか雰囲気が京ちゃんに似てる。
とにかく音駒の部員を覚えようとそのやり取りを眺めていた。