【イケメン革命】お茶会をご一緒しませんか?〜短編集〜
第10章 酔っ払いアリスちゃんと黒の軍幹部達☆
フェンリルはついグラスへの意識が逸れてしまい、アリスは難なく取り戻すことに成功した。
アリス「やったぁ!…あっ……」
強くグラスを揺らしてしまった瞬間、まだ少し残っていた中身がパシャンと揺れて数滴アリスの太ももの上に落ちる。
アリス「冷たいっ!下まで染みちゃった…」
アリスは太ももを覆うスカートを徐ろにめくり上げる。
アリス「フェンリルー、ここ、濡れちゃったから拭いてくれない?」
アリスの行動に呆気に取られていたフェンリルは、その言葉で一気に現実へ引き戻される。
フェンリル「はああ?!おまっ、んな事頼むなっつーの!てかそれだめだって!!」
アリス「だってぇ、キモチワルイんだもん。それに私スカート持ってるから両手塞がってるし。
ねぇお願い、フェンリル…」
フェンリル「っ……!!」
薄っすら頰を染め上目遣いに見つめられて、ドクンっと心臓が痛いくらいに強く脈打つのを感じる。
それ以上見つめられることに耐えられなくなり、フェンリルはハンカチを手に取る。
フェンリル「わかったから……、じっとしてろよ……」
ゆっくりと、手を伸ばす。
もう少しで触れる…………と思った時。
セス「テメー何晒しとんじゃーい!!!」
セスの強烈な肘鉄がフェンリルのこめかみを射抜く。
フェンリルは一言も発する事なくそのままソファーへ沈んでいった………。