【イケメン革命】お茶会をご一緒しませんか?〜短編集〜
第6章 天使が悪魔に変わる時【R18】
俺がシャワーを終えて浴室から出ると、アリスはベッドの上にぺたんと座り込み、ぼんやりと周りを見渡していた。
「アリス?気分はどうですか?
酔った貴女が少し心配だったので、俺の部屋に連れてきてしまいました。
勝手にすみません」
「エドガー…。
心配してくれてありがとう。少し寝たからちょっと酔いが覚めたみたい。
お風呂、借りてもいいかな?」
「大丈夫ですか?足もと気をつけて下さいね。
良ければ俺がお手伝いしますよ?」
冗談混じりに問うと、彼女は予想通り顔を真っ赤に染めた。
「だ、大丈夫だよ!!」
そう告げるとアリスは慌てたように浴室へと入っていった。
いつも通りの反応。
あの様子なら大丈夫だろう。
一安心した俺は、寝る前に彼女と一緒にハーブティーを楽しもうと思い準備を始めたのだった。
紅茶の準備が一通り整った時。
浴室の方から控えめに「エドガー…」と呼ぶ声が聞こえた。
「どうしました?」
数歩浴室へ近付き声をかける。
「あのね、私着替え持って来てないから…エドガーのシャツ、借りてもいい?」
「ああ、そうでしたね。俺としたことが配慮が足りませんでした。
どうぞ。どれでも使って下さい」
「ありがとう」
しばらくするとアリスが少し恥ずかしそうに浴室から出てきた。
その姿を見た途端ーー………、
(まずい……っ)
俺はパッとアリスから目を逸らした。
顔が熱い。
鼓動が異様に早い。
俺の中にある獣のような欲が溢れそうで息苦しい。
「シャツありがとう。
これ、とっても着心地いいね」
どこかはにかんだ様子のアリスの声が聞こえた。
やっぱり気になってそっとアリスの様子を伺ってみる。
ちょうど膝の辺りまであるシャツの裾からはスラリとした白い足が伸び、袖はかなり長かったようで上げていても指先しか出ていない。
シャワーであたたまったからだろうか…?
頰やシャツから覗く肌はうっすらピンク色に染まっていた。
なるべく彼女を見ないようにソファーの前に置いたテーブルの上にカップを並べ、動揺を悟られないよう出来るだけ冷静に声をかける。
「…ハーブティーを淹れました。冷めないうちに飲みましょうか」
「あ…うん。ありがとう」
彼女もソファーに近付くとゆっくりと腰を降ろした。