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【イケメン革命】お茶会をご一緒しませんか?〜短編集〜

第6章 天使が悪魔に変わる時【R18】



オリヴァー「おい、そこの変態ウサギ。かっこつけてる暇があったらアイツらなんとかしろ」

感傷に浸っていた僕は、オリヴァーに声をかけられふとアリスの姿を探す。


………………なんてことだ。


アリスはカイルと同じように樽に向かって楽しげに話しかけていた。

ブラン「アリス、酔った君はとても魅力的だけれど少し飲み過ぎではないかな?こちらに座って一緒に休もうか」

「んー…ブランさん?」

振り返ったアリスの頰は薔薇色に染まり、少し潤んだサファイアブルーの瞳で見つめられるととても平常心ではいられなくなるほどに美しかった。

思わず、次にかけるはずだった言葉を飲み込んでじっと魅入ってしまった瞬間、

「アリス」

と『彼』の声が聞こえた。



「エドガー!お仕事お疲れ様。ごめんね、先に飲み始めちゃってて…」

「いえ。先に始めていて下さい、とお伝えしていましたから貴方はお気になさらず」

アリスは嬉しそうに『彼』……エドガーへとやや不安定な足取りで近付き、その白い軍服に頰を擦り寄せた。

「…随分と早いペースで飲んでいたようですねぇ。
ブランさん、申し訳ありませんが今日はもうこれで失礼させて頂きますね」

「いやいや、申し訳なかった。こんなに早くレディを酔わせてしまうとは僕が迂闊だったよ。
また後日、君がアリスと一緒に来られる日に招待するとしよう」

本当は今日もエドガーとアリスは一緒に来るはずだった。
しかし直前になってエドガーに急ぎの仕事が入ってしまい、エドガーだけ遅れて参加するということになっていた。

きっとエドガーは心配で急いで来たのだろう。
そして今も酔った彼女が心配でたまらないという気持ちがひしひしと伝わってくる。

……酔わせてしまった僕らへの怒りも伝わってくるのは、気のせいという事にしておこう。


仲睦まじく寄り添って店を出ていく彼らを見つめながら、
『どうかこの平和が永遠に続きますように』
と心の中で強く願った。



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