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【イケメン革命】お茶会をご一緒しませんか?〜短編集〜

第5章 チョコレートをおひとつどうぞ②(主人公目線)



…ダメだ………ホントに泣きそう。

私は滲んだ涙を誤魔化すために額をそっとカイルの胸元に当てる。

「ありがとう…カイル」
「おーい、んな事で泣くなー」

カイルは笑いながら私の頭をポンポンと優しく撫でてくれた。



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「じゃあ、持ってくるから少し待っててね」
「おー」

そう告げると、私は急いで準備にとりかかる。

ラッピング、よし。
紅茶の準備、よし。

あとはナイフとかお皿とか……ぶつぶつと呟きながら食堂で準備を進める。

一通り用意したワゴンを押しながらカイルの部屋へ向かう。

美味しく出来たと思うけど…カイルの口に合うかな?

少しドキドキしながらカイルの部屋のドアをノックする。

「…あれ?」

しばらく待ったけど、返事がない。
まさか………疲れて寝ちゃった?!

私は慌ててドアを開けて、
「カイルー」
と呼びかけてみた。

「お、早かったじゃねーか」

浴室の方から頭をゴシゴシと拭きながらカイルが歩いてきた。

いつもは赤茶色の明るめの髪が濡れて少し暗い色に変わり、先端から雫がポタリと流れていた。
その雫が………シャツは羽織っているけどボタンを留めていないせいで丸見えになったカイルの鎖骨から程よい筋肉のついた胸、引き締まったお腹を流れていくのが見えた。

「カっ…カ、カイル!!!
ち、ちゃんと服着てよ!」

「んー?めんどくせーなぁ」

「風邪!風邪引くでしょ!!」

「あー、わーったって」

カイルは面倒くさそうにボタンを留めている。

ああ、心臓に悪い。

カイルがセクシー過ぎて………ドキドキした。

気持ちを落ち着かせるように私は紅茶の準備を進める。

「ぷっ…真っ赤だな」

いつのまにか近くにいたカイルが私の顔を覗き込みながら笑う。

「……見ないで」

私は高鳴る鼓動を必死に鎮めようとひたすら準備に集中した。
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