【イケメン革命】お茶会をご一緒しませんか?〜短編集〜
第4章 チョコレートをおひとつどうぞ ①(カイル目線)【R18】
「んー?なんだ、一緒に入ってくれねーのかぁ?」
冗談まじりにそう言うと、ガタガタっと何か大きな音が聞こえたあと、
「っ、そんなサービスはありませんっっ!」
という動揺したアリスの声が聞こえた。
(まー、一緒に風呂に入るのはもーちょい先の楽しみにとっとくかー)
思わず苦笑しながらほのかにラベンダーの香りが漂う浴室へ足を踏み入れた。
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風呂から上がると、ソファーの前に置いてあるテーブルの上にディナーの準備が整っていた。
「お!美味そうだなー」
トマトのリゾットや野菜たっぷりのスープ、ふわふわのオムレツなど疲れた身体に優しいメニューが並んでいた。
「ふふっ。実はこれ、私が作ったんだよ。
料理長さんに教えてもらいながら作ったから味は大丈夫なはず!
さ、温かいうちに食べて」
腹の虫が騒ぎ出していた俺は早速アリスの作ってくれた料理を口に運ぶ。
「うん、うめーなこれ。ありがとなーアリス。でも急にどうしたんだ?」
「…カイル、今日の朝メイドさんに私の朝ごはんは胃に優しいものをって頼んでおいてくれたでしょ?
ちょっとしたことだけど…それが嬉しかったから。
…お返し、だよ」
えへへ、と照れ笑いしながら小首を傾げるアリスは、この上なく可愛らしかった………思わず抱きしめたくなるほどに。
俺はその衝動をグッと堪え、一気に食事を食べ進めた。
「はぁーーうまかったー。ごっそさん」
「満足していただけたなら何よりです」
アリスがクスクスと笑いながら食器を片付けてくれている。
俺はソファーにぐったりと持たれかかり目を閉じる。
ーー不思議だな。
酒を飲まなきゃやってらんねーって思ってたはずなのに、今は酒がなくてもこんなに穏やかで満ち足りた気持ちでいられる。
(きっと、アリスが側に居てくれるおかげ、だな)
そんなことを考えているとハーブティーのいい香りが鼻をくすぐった。
ふっ…と目を開けると、ちょうどアリスがティーセットを持って来た所だった。
「あ…よかった、起きてたんだ」
「いや、流石にまだ寝れねーよ。…で?なんかあんのか?」