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【イケメン革命】お茶会をご一緒しませんか?〜短編集〜

第4章 チョコレートをおひとつどうぞ ①(カイル目線)【R18】



「エドガーのヤロー……散々こき使いやがって………」

昨日の夜エドガーに依頼された仕事は予想通り明け方までかかった。
それでも何とか用意できた品をエドガーに渡せばゆっくり休めるはずだった、が。

なぜかエドガーに赤の兵舎から連れ出され、気づいたらセントラル地区にある病院の手伝いに駆り出されていた。

手伝い、と言っても他のスタッフと一緒に働く訳ではなく特別な別室を用意され、ある条件の患者のみを診ることになった。

ある条件ーーーそれは、媚薬を飲んだ患者だ。

(はぁー…しっかし媚薬ってもんは怖いなー。まさか男に発情されるとはなー)

処置中、ある男性患者から熱烈なラブコールを受けた事を思い出し、思わずブルッと肩を震わせた。

(あーもー、さっさと帰って寝よ。っつーか、今日こそ絶対酒を飲んでやる!)

時刻はもうすぐ消灯時間という頃。
重い足を出来るだけ早く動かし、兵舎の門をくぐって自室を目指す。



自室近くの廊下にさしかかった所で、「カイル!おかえりなさい!」と鈴を転がすような可愛らしい声が聞こえた。

振り返らなくてもわかる。
「よーアリス。体調はどうだー?」
パタパタと駆けてくるアリスへ俺も数歩あゆみ寄り、額に手を当てそっと顔色を伺った。

「あ……大丈夫、だよ。
あの…昨日はごめんね。その………色々と」

昨日のことを思い出したのだろうか、アリスは話しながらだんだんと顔を赤らめる。
その様子が可愛くて、愛おしくて、ぽんぽんと優しく頭を撫でた。

「もう気にすんな。
それにあれはあれでよかったぜー」

アリスはキョトンとした顔で小首を傾げていたが、何か思い出したのか、ハッとした表情を浮かべる。

「カイルの方こそ大丈夫なの?今日も朝早くからお仕事だったんでしょ?」

「あー、まぁなー」
何となく答えづらくて目線を外しながらそう告げると、急に腕をとられぐいぐいと俺の部屋へ向かって引っ張られる。

「な、なんだなんだ??」

「カイル、今日は早く寝よう?ちゃんと身体休めないと」

そう言って俺の部屋に入るとそのまま浴室まで連れて行かれる。

「はい、ちゃんと温まってきてね」
半ば押し込まれるようにして脱衣所に入る。
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