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【イケメン革命】お茶会をご一緒しませんか?〜短編集〜

第3章 チョコレートをおひとつどうぞ



「はっ……はぁ…ぁっ………」
(あつい…とろけそう……)

気を抜けばかろうじて残った理性が崩れ去りそうになる。

そんな私の頭にカイルの優しい声が響く。

(ああ……ダメ…声を聞くだけで、私………)
カイルに今すぐ抱きつきたい。
それからたくさんキスして………いっぱい触って欲しい。

そんなはしたない欲望が今にも溢れそうで、再び唇を噛みしめる。

「アリス、そんなに噛んだら跡が残るぞー。ほら、力抜いて口開けろ」

そう言うと、カイルはそっと私の唇に触れた。
ーーーその瞬間、何かが弾けるような感じがした。

私は唇に触れるカイルの手をぎゅっと握ると、薬ごとカイルの指を口に含んだ。それからその指をそっと舌でなぞる。

「ん…」
(甘い…)

トロンとした瞳で見上げると、顔を真っ赤に染めてとまどったようなカイルの表情がそこにあった。

「あっ……!私…………」

パッとカイルの手を放し、顔を背ける。
(わ、私、何やってるのっ……!!恥ずかしい…)

ほんの数秒、いたたまれないほどの沈黙が流れたあと、カイルが軽く咳払いをする声が聞こえた。
「あー……まぁ、気にすんな。おまえがそんなに積極的になるのは媚薬の効果だからな。
ほら、ちゃんと水と一緒に薬飲めよ」

(び、やく……?)

上手く回らない頭でぼんやりと考えながらコップを受け取り、口の中に残っていた薬を流し込む。

「ん、飲めたな。じゃー横になって目閉じてゆっくり深呼吸してみろー」

私はカイルに促されるままにベッドへ横になり目を閉じた。

(私が…カイルに触れたいと思ったのは媚薬のせい……?
ううん……そうじゃない………。
カイルだから触れたいの………カイルだから、こんなに…………)

薬が効いてきたのだろうか。
だんだん強い眠気に包まれていき、抗うことも出来ずに私は意識を手放したーーー…。
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