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【イケメン革命】お茶会をご一緒しませんか?〜短編集〜

第3章 チョコレートをおひとつどうぞ



ーーーーガタンッッ

「ん?なんだ??」

何かが扉に当たる音がした。それに扉の外に誰かがいるような気がして、カイルはゆっくりとそちらに向かう。
扉を開けると、そこにアリスがうずくまっていた。

「どうした?!アリス!」
反射的に手首を取って脈をとり、胸郭の動きをみて呼吸を確認する。

「…っ、はっ…カ…イル……」
アリスは荒い息をつきながら、ゆっくりと手を伸ばしカイルの白衣の袖をギュッと摑む。
「…とりあえす中で診察する。立てるか?」
「う、ん…」
アリスを支えようと腰に手を当てると、アリスがビクっと震える。
「あっ…」
甘い声が聞こえて思わずアリスの顔を覗き込むと、頰を赤く染め目をぎゅっと閉じて必死になにか我慢しているようだった。

(…なんだ?この反応……)

一歩踏み出すごとに重なり合う身体が少し擦れて、アリスはその度ビクっと反応する。
声は抑えているものの、漏れる吐息がだんだん甘さを増してくる。

それにつられるようにカイルの身体にもだんだん熱が灯っていくような気がした。

「っ、………悪いっ!!アリス!ちょっと我慢しろよ」
そう告げると、一気にアリスを横抱きにしてベッドへと運んだ。



「あ……はっ、……は…ぁ…」

カイルの部屋には甘いアリスの吐息だけが響く。
一通り診察を終えたカイルはそっとアリスの顔を伺う。
熱い身体、少し早い鼓動、甘い吐息…それに頰を染め涙で潤んだ瞳でじっと見つめてくるアリスの様子………それはまさにーー、
(媚薬の効果……だな)

カイルは必死に冷静さを保ちながらアリスに問いかける。
「おまえ、こんな風になる前に何か口にしなかったか?」
「っ、…なにか……?」
アリスは少し考えたあと「あ、」と声をあげた。

「そ、ういえ、ば……っ…昼間に、カイルがもらったチョコ……食べた…」

(…それにあのエッセンスが入ってたってことだな)

カイルは事態を把握すると、先程エドガーに依頼されて準備していた薬を一つ手に取るとアリスに優しく声をかけた。

「今おまえはちょっとした興奮状態にある。この薬を飲んで興奮を鎮めてゆっくり寝れば、起きた時にはもう元に戻ってる」
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