第5章 現世での生活
「ここが私の家なんです!!お父さーん!!」
女の子が呼ぶと、中から白衣を着た男の人が現れた。
「ほーい!!どうしたぁ、遊子ー!!・・・・おやっ?可愛いお嬢さんと一緒かい?ややっ!!足を怪我してるじゃないか!!これは大変だ!!グボラっ!!」
「このクソおやじ!!患者ほっぽり出してセクハラしてんじゃねぇよ!!」
いきなり横から、白衣の男の人に飛び蹴りをする黒髪の女の子。
「もぉ!!夏梨ちゃんもお父さんも止めて!!お客様だよ!!この人、私が車に引かれそうになったところを助けてくれたんだから!!」
「なぬーー!!うちの遊子を引こうとした不届きものはどいつじゃーー!!八つ裂きにしてくれる!!・・・っと、これはこれはどうもありがとうお嬢・・・・・・さん・・・・」
白衣を着た男の人は今までせわしなく動いていたのに、急に言葉を止め私をじーと見た。
「・・・・・・?あの・・・・私の顔、何かついてますか?」
私が聞くと、
「・・・・あー、いや。・・・・綺麗な顔立ちだなぁーと!!さぁ、こっちで手当をしましょー」
と、再びせわしなく動き始めた。