第4章 裏切りと出会い
十四郎が私を連れて来てくれたところは、海燕のお墓だった。隣を見ると、雅の名前もある。
「・・・・・・・ほんとに・・・・・死んじゃったんだ・・・・・・海燕・・・・・・・」
私がボソッと呟く。
「・・・・・ああ」
「・・・・・雅も・・・・・死んじゃった。」
「・・・・・ああ」
「・・・・・私ももうすぐ死んじゃう。」
「!!・・・・・・・俺がそうさせない。・・・・桜花は、生きたくないのか?」
十四郎が私に問う。私が答えられないでいると
「・・・・・海燕がそれを望むと思うのか?」
私は首をふる。
「・・・・・桜花、我慢しなくていいんだぞ?泣きたい時は思いっきり泣けばいい。ここには・・・・・俺とお前しかいない。」
「・・・・・・・・昨日のね朝、私夢をみたの・・・・・・・どういう夢か忘れたんだけど、とにかく不安だった。・・・・誰かが居なくなる予感がして・・・・・そのときは海燕が大丈夫っていってくれて・・・・・・・私・・・・・・」
言葉にしながら私の目には涙が溢れていた。どんどん。
「・・・・私・・・・・・・・海燕に護られてばっかりで・・・・迷惑ばっかりで・・・・・」
「ああ。でも、あいつは笑って逝ったろ?あいつは最後まで幸せだったよ。」
十四郎は、私の涙が止まるまで自分の羽織が汚れるのも構わず、ただ私を優しく抱きしめててくれた。