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小さな死神

第3章 幸せが崩壊した時


☆☆~海燕side~☆☆

遺体が置いてあった場所から出た俺は、斬魄刀が置いてある自分の宿舎に向かった。一瞬桜花の宿舎に行こうかと思ったが、決心が揺らぎそうなので止めた。本当に弱い人間だ。

麩を開くと、そこには自分の宿舎にいるはずの桜花がいた。

「・・・・・何故ここにいるんだ?俺は宿舎に戻れと命令したはずだが?」

俺は自分でも声が震えているのが分かった。桜花は、俺が怒っているのかと思ったようで、一瞬びくっと怯えた素振りを見せた。

「・・・確かに宿舎に戻れとは言われたけど、自分の宿舎とは言われなかったはずだよ?」

「・・・・・なんで・・・・お前は・・・・・」

こうも俺の覚悟を壊そうとするんだ・・・・

「・・・・今から雅の仇をうちに行くんでしょ?・・・・私も連れて行って!!もう子供じゃない」

分かってるよ。お前が半人前じゃないことくらい。お前が十三番隊に入って、俺の部下になって、最初見たときから気づいていたさ。


だけど、気づいてない振りをしていた。こいつは、まだ半人前だ、まだ子供だって、こいつが身体が小さいことをいいことに。

そして、俺は・・・こいつに対する俺の気持ちすら気づかない振りをしていた。


「ルキアは連れていくんでしょ!?だったら、私も連れて行ってよ!!私はルキアより強い!!」

ああ。わかってる。分かってるから連れていきたくないんだ。だって俺は・・・

「海燕!!私もう子供じゃないよ!!斬魄刀と対話もできるし、始解もできる!!だから・・・・!!」

気がついくと、俺は桜花にキスをしていた。桜花は別に嫌がる素振りは見せなかった。・・・・多分かってないんだろうな。分かっててやる俺は・・・・もう桜花のそばにはいられないだろう・・・・・・。

「海燕・・・私海燕が大好きだよ?すっごく大好きだよ?だから・・・・・・どこにも行かないでよ」

俺の気持ちを察したように泣きそうな顔で俺のことを好きだという桜花。俺は隙をついてあいつに白伏をかけた。

「・・・・なん・・・で・・・」

何故?理由は決まってんだろ?だって俺は・・・・・





お前のことが好きなんだから。



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