第3章 幸せが崩壊した時
私は自分の宿舎には戻らず、海燕の斬魄刀が置いてある海燕の宿舎にいる。ちゃんと自分の斬魄刀を持って。
しばらく待っていると、麩がゆっくりと開き、海燕が入ってきた。私を見ると海燕は驚いた顔をした。
「・・・・・何故ここにいるんだ?俺は宿舎に戻れと命令したはずだが?」
少し・・・ううん、かなり怒っている海燕。ここでひるんじゃだめだ。
「・・・確かに宿舎に戻れとは言われたけど、自分の宿舎とは言われなかったはずだよ?」
「・・・・・なんで・・・・お前は・・・・・」
ぼそりとつぶやく海燕。ここまでしても私を見ない。
「・・・・今から雅の仇をうちに行くんでしょ?・・・・私も連れて行って!!私は子供じゃない!!」
「駄目だ。今度はちゃんと自分の宿舎に・・・・」
「ルキアは連れていくんでしょ!?だったら、私も連れて行ってよ!!私はルキアより強い!!」
海燕は、何も答えない。
「海燕!!私もう子供じゃないよ!!斬魄刀と対話もできるし、始解もできる!!だから・・・・!!」
私の言葉はここで途切れた。なぜって、海燕が私の口を塞いだから。自分の口で。
何秒間そうしてたんだろう。海燕は、私の口から自分の口を離して
「来ないでくれ・・・・頼むから・・・・」
と辛そうで今にも泣きそうな・・・・・そんな顔をした。私は途端に嫌な考えが頭を過った。
「海燕・・・私海燕が大好きだよ?すっごく大好きだよ?だから・・・・・・どこにも行かないでよ」
そのとき海燕が、私の額の真ん中を突いた。すると、私の意識がゆがんでいく。
「なん・・・・・で・・・・」
意識が途切れそうになる前に見た海燕は、何故だか穏やかそうな顔をしていた。私はこんなにも不安なのに・・・・・