第3章 幸せが崩壊した時
☆☆~桜花side~☆☆
「海燕!!」
海燕たちをやっと見つけて、私はさっき聞いたことを海燕に問う。
「・・・・いっ、今ね、表で隊員の人達から聞いて・・・本当・・なの?・・・雅が・・・・・」
「・・・・お前は・・・・自分の宿舎にいろ・・・いいな?」
私の問いには、答えず淡々とした口調で言う海燕。
「・・・・海燕たちは、どこに行くの?」
これにも海燕は答えなかった。それに私を見てもくれない。でもその手は強く握り締めている。
「・・・・・・任務に行っていた彼女の班が全滅したんだ・・・・・・現場には彼女の遺体が残っていて、海燕は彼女と夫婦だから遺体を引き取りに行くんだよ。」
十四郎が代わりに答えてくれる。雅を“遺体”と言って・・・・・・
「遺体・・・・・」
信じられず私は呟く。
「・・・私も・・」
「駄目だ!!お前は宿舎に戻ってろ!!」
私が何を言うのか悟った海燕が強く言った。
「なんで?私も雅に・・・」
「お前はまだ子供だからだ!!いいから、戻ってろ!!」
・・・なんで?子供?私は・・・!!
「私は十三番隊の三席だよ!!子供じゃない!!」
「じゃあ、十三番隊の副隊長からの命令だ!!宿舎に戻ってろ!!」
なんで・・・・・・・
十四郎を見ると、十四郎は首を横に振る。
「・・・・・ルキアは行くのに私はダメなの?・・私も雅に・・・さよなら・・・言いたいのに・・」」
「・・・・命令は絶対だ」
海燕はそれだけ言うと、後ろを向いてしまった。
「・・・・・桜花、海燕はお前を思っていってるんだ。分かってやれ・・・・な?」
・・・分かってる。そんなことわかってるよ!!・・・でも・・・・私だって、一緒に戦いたいよ。いつまでも子供扱いしないで、私も対等に見て欲しいよ。私より後から入ったルキアは、認めてるのに・・・・私は・・・・
「・・・・・隊長・・・・行きましょう」
海燕は、結局私と一度も目を合わせなかった。