第3章 幸せが崩壊した時
「分かっていることが、2つある。一つは、そいつが・・・・・2つはそいつの巣の場所だ。」
俺はあいつの・・・・雅の遺体の前に立っている。雅は、五体満足で帰ってきたわけじゃなかった。・・・・下半身がない。やはり、桜花を連れてこなくて良かった。ぼんやりと俺は思った。
何言ってんだ?それが理由じゃないだろう
桜花に雅の酷い姿は見て欲しくなかった?
嘘いうなよ
俺は・・・・ただ単に・・・・・決心がつかなかっただけだ
桜花がそばにいると・・・・雅の仇を・・・・命をかけてうとうとする覚悟が揺るぎそうになった・・・・・それだけだろ?
・・・・・・はっ・・・・とんだ偽善者だ・・・・・俺は・・・
あいつに虚撃退任務に行かせないのも、この任務にあいつが任命されたときも・・・・反対したのは・・・・ただ俺が・・・・あいつの・・・・桜花のそばにいたかっただけだ。あいつの近くで一番あいつのことを見たかっただけじゃないか。
「海燕・・・・好きよ好き・・・・・大好き・・・たとえあなたが・・・他の誰かを好きになっても・・・・私は・・・」
あの甘い夜のあと、寝たふりした俺に向かって雅が言った言葉。
「・・・・・・隊長・・・・お願いがあるのですが・・・・」