第3章 幸せが崩壊した時
放心状態のまま、隊長についていくと
「海燕!!」
総隊長に呼ばれて一番隊に行っていた桜花が走ってきてるのが見えた。
「・・・・・桜花。」
隊長が俺の顔を伺うようにちらりと見た。
「いっ、今ね、表で隊員の人達から聞いて・・・本当・・なの?・・・雅が・・・・・」
「・・・・お前は・・・・自分の宿舎にいろ・・・いいな?」
「・・・・海燕たちは、どこに行くの?」
俺が答えなかった。代わりに隊長が
「・・・・・・任務に行っていた彼女の班が全滅したんだ・・・・・・現場には彼女の遺体が残っていて、海燕は彼女と夫婦だから遺体を引き取りに行くんだよ。」
と答えてくれた。
「・・・・遺体・・・・・・・・」
隊長の言葉に俯く桜花。
「・・・・・私も」
「駄目だ!!お前は宿舎にいろ!!」
桜花の言葉を俺は遮った。俺の言葉に桜花は反論する。
「なんで!?私も行く!!雅に・・・」
「お前はまだ子供だからだ!いいから戻ってろ!!」
「私は、十三番隊の三席だよ!!子供じゃない!!」
「じゃあ、十三番隊の副隊長からの命令だ!!お前は来るな!!宿舎にいろ!!」
俺がそう言うと桜花は助けを求めるように隊長を見た。隊長は、静かに首を横に振った。
「・・・・・ルキアは行くのに私はダメなの?・・私も雅に・・・さよなら・・・言いたいのに・・」
下を向いて肩を震わせる桜花。
「・・・・・命令は絶対だ。」
俺は桜花に言い聞かせている隊長を促し、目を背けるように遺体がおいてある部屋へ向かった。