第12章 連れ攫われた青い花
こうして桜花に情報を渡すこと3日間。俺から話すことは無くなった。
「よし。桜花、久々に手合わせをしてやる。こい!」
そういうと以前はぶーすか言っていた桜花だったが今は嬉しそうに斬魄刀を取りに行った。
「よろしくお願いします!」
こういう無邪気そうな笑顔は昔のまんまだった。
「よし。じゃあこい!」
するといきなり視界から桜花の姿が消えた。だが、俺は慌てず刀を右へと向け衝撃に耐えた。
ガキン!
鋭い音がしてさきほど消えたはずの桜花がその衝撃で後ろへと下がった。
「瞬歩が雑なんだよお前は!」
「えー!頑張った方だよ!」
口を尖らせる桜花。
「余計なこと話さん!」
先ほどの桜花と同じ行動をすると桜花はひらりと身軽そうに俺の攻撃をよけた。
「海燕は短気なんだよ!」
桜花が俺の方につっこんできて、つばぜり合いとなる。前は身長差でやりずらかったが、今は前よりましだ。
「お前は適当過ぎだ!つか、前と変わってねぇじゃねぇか!!多少闘い慣れしてきたが、戦闘スタイルや癖が直ってねぇ!!今まで何してたんだこの馬鹿!!!!!!!!」
「いっったぁぁぁぁい!!!!!」
鈍い音がして、頭を抑える桜花。
「だっ、だって!海燕がいなくなった後すぐ現世に行っちゃったから、戦闘なんて尸魂界に乗り込みに行ったときぐらいしかやってないし。それにそれに………」
「あぁ。それは藍染惣右介からところどころ聞いたよ。大変だったな。んで?」
「………………………………………真子がお前は戦うの禁止だから特訓なんぞする必要ないわ!って。」
「はあ?なんでだ?お前は確かに攻撃は雑だし、何考えてるか分からない馬鹿だが、戦力にはなるだろうに。」
あの平子隊長がそんな判断ミスするはずないだろうし。…………それかあれか?平子隊長は好きになった子を戦わせるのを嫌うとかか?平子隊長が桜花……もとい秋月空が好きだったのは有名な話だもんな。実は結構そのときから好きなやついたりしてな。
「お前は惣右介の計画?の一部にはいってるからとかなんとか、意味わからないこと言ってた!」
「……………なるほど。そっちか。」
そりゃあ、無理もないか。