第2章 私の幸せ
☆☆~海燕side~☆☆
くそっ!傷が深い・・・・まさかこんなに早い再生能力をもってやがるとは。しくじった。
「無駄じゃ小童!!お前にわしは斬れぬ。お前を喰ってやろう!!旨そうだ!!」
「はん!!そう簡単に喰わせてたまるかよ!!」
・・・・やべぇ。血を出しすぎた。意識が・・・
「ギャハハハ!ほれ、隙だらけじゃぞ?」
しまっ!!
ガキッ!!
「・・・・・・・は?」
目を見張った。俺を喰おうとしたあの虚は・・・・・・目の前の少女によって塵となった。
「・・・・・ば・・・・・・ばか・・・な・」
そう言い残して、虚は消え去った。
「海燕、大丈夫?」
目の前の少女が、俺に話しかける。だっ、誰だよ!こいつ!!西洋人形のような整った顔立ちに、ほっそりとした体型の奴なんか知り合いにいねぇぞ!!おまけに薄い青の髪だから、一度見たら忘れねぇし。・・・・・・・・ん?青い髪?
「海燕ーー!!」
いきなり、そいつが泣きそうな顔をして俺に抱きついてきた。
「びえーーん!!無事で良かったよぉー!」
・・・・この泣き顔といい、この変な泣き方といい、この青の髪といい・・・・・・間違いねぇな。
「・・・・お前にそうされてるせいで、今にも死にそうなんだが・・・・・桜花。」