第12章 連れ攫われた青い花
「…………一護?」
「黒崎一護。志波一心さんの息子だよ」
「なっ!?!?」
「それに唯一戦力の中で惣右介の鏡花水月の能力を見ていない人。」
「ちょっ、待て!!あの人生きてたのか!?」
「うん!まあ、あの人が簡単に死ぬはずもないんだけどね」
「………お前一心さんと顔見知りなのか?」
「うん。あれ?海燕もうとっくに気づいてると思ったんだけど・・・。私海燕よりずっと歳上だよ」
「……………やっぱりそうかよ。」
「うん。うんと、少々記憶が曖昧なところがあるからあれなんだけど、多分1000歳くらい上かな」
「………どんだけだよお前。」
「あ!?今ババアとか思ったでしょ!!」
「俺より若いババアってなんだよ」
「まあ、話を戻すと、そういうことです。」
「戻った意味ねぇよ。」
「と、海燕に言わなきゃいけないことがあった!」
「?」
「私の正体を知ってて尚、私を助けてくれてありがとう。私を育ててくれてありがとう。私をあなたの元で働かせてくれてどうもありがとう。海燕がいなかったら、私当の昔に野垂れ死んでた。記憶が無くなって無力な私に居場所を与えてくれてありがとうございました。」
ずっと言いたかったこと。自分の能力を取り戻し記憶も蘇って、海燕が裏で私のために動いてくれてたことを知った。そのために海燕が誹謗中傷を受けていたことも知った。今の私があるのは海燕のおかげ。感謝をつくしてもつくしきれない。
「よせよ。俺はお前のためにしたんじゃない。俺自身のためにしたんだ。」
「海燕が自分の尊厳を捨ててでもしてくれてたこと知ってるもん」
「………あー…………」
「しっつれーだよね!海燕がそんな破廉恥なはずないじゃん!あー思い出しただけでも腹がぐつぐつ煮えかえってるよ!」
「……………あながち間違ってはないがな。」
?
「それってどういうことっ……??」