第12章 連れ攫われた青い花
ぱくぱくぱくもぐもぐもぐ
「甘いもん好きは変わってないんだなー。」
海燕が笑いながら私の頭を撫でる。
「……ん?お前髪の色素濃くなったんじゃねぇか?」
「ふん?ほう?」
「食べながら話すな!」
「いひゃい!!」
慌てて飲み込む。
「ったく。お前変わったんだか変わってねぇんだかどっちかにしろよ!」
「私は私だもん」
ムスっとすると、笑いながら
「早く食べねぇと餡蜜俺がもらうぞ。」
「食べる!!!!」
慌てて全部食べる。
「桜花。俺がいなくなった後の状況を教えてくれ。お前がわかる範囲でいい。」
いつになく真剣な面持ちの海燕に、私は惣右介の裏切り、破面の出現を伝えた。
「………俺がいなくなった後の後釜は?」
「まだだよ。でも多分ルキアがなると思う。」
「………そこで私がなると言わねぇところがお前らしいか」
「………私は追放の身だからね。それに……」
「それに?」
「憧れの志波海燕前副隊長の後釜なんて恐れがましいもん。」
そう言うと海燕は私の頭をぐっちゃぐっちゃにし始めた。
「なっ!?もー!なにすんの!!」