第12章 連れ攫われた青い花
☆☆~ギンside~☆☆
朝から藍染さんを見かけへんと思うたら、昼頃に帰って来なはった。桜花ちゃんを連れて。
桜花ちゃんと楽しそうに話してらしゃる藍染さんは、いつもの藍染さんとはやはり違ってて、他の破面たちが戸惑ってたみたいや。
「・・・・・・あのガキ。藍染様のなんなんだ?」
あちらこちらで桜花ちゃんの噂が立ち、火花みたいなのが散っとる。藍染サマは人気者やなー。
それを本人は知ってか知らずか、桜花ちゃんにあーんしてラブラブな雰囲気を出しとる。
そして、桜花ちゃんがお腹いっぱいになって、眠ると
「出ておいでギン。」
とやっとお呼びがかかる。
「いちゃいちゃを見せつけられてたまりませんわー」
「いちゃいちゃなんかしてないよ。彼女は、ただの駒にすぎないからね。」
平然と嘘を言いはる。
「それにしても、桜花ちゃんが来るなんて聞いてまへんで。びっくりしてもうたわ」
「すまなかったね。急に崩玉の力が強くなってね。彼女の協力が必要な時期が早まったんだよ。」
「そうですかぁー。でも、急なことでいきなりこの子の部屋なんか用意できませんよ?」
「構わないよ。この子は私の部屋で寝かせるから。」
無防備に寝ている桜花ちゃんを抱き上げて言った。
「いややわー。藍染さん、襲う気まんまんやないの。」
「馬鹿なことは言うもんじゃないよギン。まぁ、私の言うことに従わなかった場合、そうするしかないだろうけど・・・・ね?」
薄気味悪く微笑み、藍染さんはいってしまった。