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小さな死神

第12章 連れ攫われた青い花


「なっ!?なんだよそれ!!」

黒崎さんが話を盗み聞きしていたらしい。殴ってきそうな勢いで詰め寄ってくる。

「あんたさっき、大丈夫って言ったよな!?どういうことだよ!!全然大丈夫じゃ・・・・・・・・」

「煩いネ。静かにしたまえヨ。君らの杞憂に付き合ってる暇はないのだヨ。」

先ほどのTVを見ると、そこには十二番隊長涅マユリが、迷惑そうな顔をして映っていた。

「杞憂ってどういうことだよ!!お前も桜花のこと・・・・」

「煩いやつだネ。桜花は無事だヨ。」

涅さんの言葉はやけに確信があるようだった。

「・・・・どうしてそのようなことが言えるんです?」

「秋月桜花から君たちにメッセージだヨ。」

そう言って脇にどけると、次に映ったのは総隊長の話にも出てきた軽傷の隊員だった。

「こいつは催眠がかけられているんだヨ。総隊長殿に事件のことを喋った後、ずっと同じ単語しか呟かなくてネ。最初は、愛染の罠とでも思ったが、どうやら違うみたいでネ。」

その隊員の様子を伺っていると、確かに

「・・・・涅マユリ、黒崎一護、浦原喜助、平子真子に伝言がある。解剖ラバーズ解剖ラバーズ・・・・・・涅マユリ、黒崎一護、浦原喜助、平子真子に伝言がある。解剖ラバーズ解剖ラバーズ・・・・・・」

と同じことを何回も繰り返している。

「な、なんだんだよ・・・・・・こいつ・・・・・・気持ちわりぃ解剖ラバーズって何言ってんだよ」

「そのセンスが分からないとは君は愚かだネ。まぁいい。それは合言葉だヨ。」

「は?」

「桜花と連絡を取り合い、お互いに知識を分け合っていたのだヨ。破面について不明な点が多いからネ。」

「そういや、そんなこと桜花のやつが言いよったな」

「そして、今日もその情報交換のために部下を現世に送り出していたのだヨ。」

「なっ!?」

「なるほど。だから、今回十二番隊だけが被害を被ったのですね。他の部隊も現世に出ているのに何故十二番隊だけだったのかが気になっていました。それと、総隊長がやけに不機嫌だったのかも。」

「ふん。大きなお世話だネ。」

不機嫌そうにそっぽを向いてしまった涅さんの代わりに言葉を続けた。

「だけど、帰ってきたのはぐちゃぐちゃで原型を留めていない死体と軽傷を負った部下。しかもその部下は催眠状態で話もできない。そうですよね?」

「そうだヨ。さらに」

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