第11章 遅い気づきと奇襲
☆☆~たつき~☆☆
織姫も一護も桜花も自分に隠し事をしている。
その証拠に一護は最近生傷が絶えない。まぁ、もともと髪の色から不良に絡まれる一護は生傷は絶えなかったが、持ち前の運動神経でそこまでひどいものはなかったし、数日で治っていた。
桜花はここ数日、元気がない。聞いてもなんでもないの一点張り。たまに見せる泣きそうな顔がとても切ない。
織姫は...争いごとが嫌いで、人を傷つけることを何よりも嫌うあの子が、大怪我をして学校にきた。階段から落ちたといっていたが嘘だ。
誰よりもあの子の近くにいたのに。私じゃ力になれないのかな。桜花にしても、一護にしても。
「いつまで悩んでるんだろ。バッカみたい」
そうつぶやき、そろそろフロに入ろうかと思い、立ち上がると...
ばーん!!!
ベランダの方で音がした。いたずらかと思い、ベランダを見ると誰かが立っていた。ほっそりとしたすこし小さい姿。
「あれ?桜花?どうし・・・」
ゾクッ!!
桜花かと思い、どうしてそんなところから入ってきたのかを聞こうと声をかけようとしたが、嫌な悪寒がはしった。
「けけけ。俺が見えてるのかい?お嬢ちゃん。」
そして、桜花だと思ってたそいつは私の方へゆっくりと来始めた。