第2章 私の幸せ
「わわっ!!」
私は斬魄刀を抜いて戦っているけど、殆ど逃げてる。だって、初めての実践だよ?どうしたらいいか分かんないし。
「逃げてばっかだと、わしに喰われるだけじゃぞ!!小娘!!」
「んーー。」
困ったなー。どうしよう。
「せめて、始解ぐらいはせんかい!!ただ殺すのもつまらん。」
「・・・・どうやってここまで来たの?ここは特殊な結界があって来れないはずだけど・・・」
「知らぬ。気がついたら、美味しそうな匂いがした。いい魂魄のうまそうな匂いがなー。」
「ねぇ、なんで私だけ連れてきたの?」
私はさらに聞く。
「は?さっきも言うたじゃろ。わしの能力は、じぶんだけか自分と何か1つだけしかつかえん。」
呆れた様子で答える。
「ううん、そうじゃなくて。お腹が減ってるなら、わざわざ能力を使わなくても、あの場で襲えばよかったじゃん。なんでわざわざ私だけ連れ出したの?私だけでお腹はたまらないよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
虚が一瞬困惑した表情になった。その隙を逃さず私は走り出した。
「・・・・・・・なぜ?ほんとうじゃ・・・・なぜわしは・・・・・」
虚のそのつぶやきは私には聞こえなかった。