第11章 遅い気づきと奇襲
「......さてと、いつまで隠れちゃってるつもりかな?そろそろ出ておいでよ、桜花ちゃん。」
「やっぱりバレてましたか。一心さん」
コンを見つけ出した私は、グランドフィッシャーと戦闘中の一心さんの様子を隠れて見ていた。結果はもちのろんで一心さんの圧勝。
「君の霊圧は分かり易いからねー。......まだ愛染を助けるとか馬鹿なことを言っているのかい?」
一心さんが笑いながら、でもその目は決して笑ってない、そんな顔で私を見つめて言う。
「......もちろんです。」
「.....そっか。」
一心さんが悲しそうに言った。
「......すみません。でも私は...真咲との約束も...守りたいんです。」
私は俯きながら言う。罵られること覚悟で。だが、
「...ああ。真咲なら...俺が惚れた女ならそういうだろうよ。」
一心さんは悲しそうに、だけど少し誇らしげに笑うだけだった。