第10章 新たな新入生と新たな戦い
「えっ!!ちょっ!!」
私は反射的に最初の一撃をかわし、平子君と距離をとった。
「確かにお前は惣右介と仲が良かった!!あの惣右介が唯一心を許した相手がお前やもんな!!だけど、お前は分かってるんか?俺らがこんなことになったのは全部あいつのせいやって!!」
・・・・・こんなこと?
「お前やってそうやろ?お前だって、俺らと同じや。お前は惣右介を憎まへんのか!?」
・・・・・・・なんのこと・・・・・?
「俺らの虚化のことや!!」
・・・・・・虚化??
「なんの・・・・・・え?」
気がついたら、平子君は私との距離を詰めており、私は平子君の胸に力なく寄りかかっている形となっていた。
・・・・・・なんで?急に・・・・力が・・・
「・・・・・虚化の・・・・反動か。その力、急に使ったな。」
平子君はそのまま私を抱きしめ、
「・・・・・なんでや。やっと会えたのにこれは・・・・・あんまりやろ。空。」
と呟いた。そして私を抱き上げ、歩き出した。