第10章 新たな新入生と新たな戦い
☆☆~喜助side~☆☆
桜花さんたちが尸魂界から帰ってきて、数日が経った。
その後の黒崎さんの話しによると、桜花さんは尸魂界を追放の身となったらしい。まぁ、当たり前の判断だろう。尸魂界から帰った桜花さんの霊圧は、まさに虚のそれだった。いつ力が暴走するかも分からない。山本総隊長も決死の覚悟だったのだろう。そして、だからこそ桜花さんがまた戻ってこられるように、わたし達とは違う、”永久”でない追放という処分にした。・・・・・まったく、甘いんスよねぇ~
桜花さん自身のことだから、内なる虚のことはきちんと伝えた方が良いのは分かっている。だが、彼女は記憶が戻ったばかりで、あの方々のことは記憶が曖昧なようだった。それに、自分の斬魄刀の名前さえも。
それに黒崎さんのこともある。彼も、尸魂界からの帰還のときに虚の霊圧を感じた。桜花さんとは違い、彼は死神になったばかり。霊圧も不安定だから、正直心配なのは確かだ。
「・・・・・・さて、これは彼らに任せたほうがいいんでしょうかね?」
私は夏の生温い風を感じながら、持っていた焼酎を不安とともに一気に飲み干すのだった。