第2章 私の幸せ
「ここに十一番隊隊長さんがいると聞いてね。書類を持ってきたんだよ。志波くん、君はどうしたんだい?」
「俺は、こいつを迎えにきたんスよ。」
海燕は、私を指して言う。
「君は・・・・・確か十三番隊の三席の・・・・」
藍染隊長が眉を細めて言った。
「秋月桜花ですよ。」
何も言わない私の代わりに海燕が答えた。
「・・・・・そうか!十三番隊の副隊長さんのお気に入りでいつでも一緒にいる子がいると松本くんに聞いたんだよ。ほんとに人形みたいで綺麗な子だね。」
藍染隊長がにこやかに言う。
「・・・・・おい、書類を置いてとっとといけよ。俺は今から昼飯なんだよ。」
剣ちゃんがイライラして言う。
「まぁ、待ってくれよ。まだ自己紹介もしていないじゃないか。改めまして、僕の名前は藍染惣右介というんだ。五番隊に属していて、一応隊長をやっている。よろしくね、桜花ちゃん。では、また。」
あいぜん・・・・・・そうすけ・・・・・
なんだろう・・・・・なにか引っかかった・・・
「桜花?ぼーっとしてどうした?」
「えっ?」
海燕が剣ちゃんの膝に座っている私のところまで来て、顔をのぞき込んだ。
「なんでもないよ。なんか不思議な人だったね」
私は先ほどの違和感を気にしないようにした。
「珍しいな。お前が何も喋んないとは。あの総隊長のときでも、お前堂々と呼び捨てのタメ口とか使うくせに。」
「あははー。お腹が減ってただけだよー。剣ちゃん、早くご飯食べよー」
私はあの嫌な感覚を振り払うかのようにご飯を頬張った。