第8章 ルキア処刑台!!急げ!!
☆☆~桜花side~☆☆
惣右介が狛村隊長に詠唱破棄の黒棺を出したとき、私は咄嗟にそれと同じ術でその術を相殺した。
「・・・・・同じ霊力をこめた鬼道をぶつけ、それらを分散させることによって相殺させる。・・・・・理論上では可能だが、簡単なことではない。また、それによって一時的に蜃気楼が起こったような状態になる。こんなことは何百年生きているが初めての経験だよ。」
惣右介が平然な顔をして言った。
「・・・・どこの誰か分からぬが、助けてもらったことは礼をいう。だが、邪魔はしないでもらいたい・・・・・」
「ごめんなさい。」
私は今にも飛び出しそうな勢いの狛村隊長に白伏をかけた。そして、再び惣右介に顔を向ける。
「君がここにいるということは、要は無事目的を果たしたということになるね。」
・・・・目的?・・・え?・・・・というか・・・・
「・・・あれ?なんで、要がいるの?」
「ああ。ここにいる要は偽物だよ。ほら、『砕けろ。鏡花水月』」
惣右介がそう言うと、要の姿は見えなくなった。
「思ったより早かったね。少し長話が過ぎたかな?・・・・まぁいいか。君にも話を聞いて欲しかったところだったしね。」
「話?」
「そう。崩玉の話だ」