第2章 私の幸せ
☆☆~一角side~☆☆
桜花と隊長の稽古が始まった。隊長は最近の不機嫌さが嘘のように楽しそうだ。
「・・・・・・すっ、すげぇー」
「あのガキ、化けもんかよ」
「あの隊長と対等にやりやってやがる。」
さっきまでぎゃーぎゃー言ってた奴らが、目を丸くしてる。
「斑目三席!あ・・・あのガ・・子供は一体・・・・・」
その中の一人が聞いてきやがった。
「あ?あいつは、十三番隊の第三席、秋月桜花だよ。結構噂になってんだろ。」
「あ・・・・あの、有名な!!」
そう、桜花は結構有名だ。あの歳で三席まで上りつめてるんだ。有名じゃない方がおかしいだろ。それに、ここらじゃあまり見られない薄い青が入った髪に、整った顔立ち。目立ちすぎんだよ、あいつは。まぁ、当の本人は自分が噂されてるなんて知りもしないが。
歩くたびに人の目を惹きつける。つっても、まだ乳臭いガキだから襲われる心配はないと思うが。だが、あいつんとこの副隊長は、そうは思ってないらしい。この間、桜花がいないって騒ぎまくってたらしいしなー。
「・・・結構、いい玉じゃねぇか?」
「だな。」
「んー、悪くはないな。」
・・・・・・・・・いや、やはり心配だな。あとで、しっかり桜花のやつに言い聞かせよう。そして、今では桜花を品定めしてやがるこいつらにもしっかりと言い聞かせておいてやろう。