第2章 お返しは早めが良いよな?
「おし、終わったな?
なら帰んぞ、美織」
「へ?え、ちょ、星夜さん?」
手を引かれ、強引に生徒会室から連れ出される。
荷物はちゃんと星夜さんが持ってくれているけど。
「おい、出せ」
校門の前に止まっていた車に乗り込むと、声を掛けた。
「畏まりました」
すぐに車が発進する。
「ちょっと星夜さん!
いきなりどうしたの?
まだ烈さんに挨拶してないのに...」
挨拶もなしに帰るなんて、そんな非常識な。
それに脚のリーチが違うのに、星夜さんのペースで走ってたら疲れちゃう...。
お陰で息を切らせての抗議となってしまった。
「ずっとお預け食らってんだ。
良いだろ、そのぐらい。
帰ったら覚悟しとけよ、足腰立たなくなるまで抱いてやる」
「!!」
運転手さん居るのにそんなこと言って...!
チラリと運転手さんの様子を伺えば、気にしてないのか全く表情を崩していない。
お、大人だ...。