第2章 お返しは早めが良いよな?
その後しばらくして烈さんが戻って来た。
「すみません、気を使わせてしまったみたいで...」
椅子に座り、机の上にある書類と向き合う烈さんに謝る。
「いえ、僕が勝手に出て行っただけですから気にしないでください」
「ありがとうございます。
お茶、煎れ直して来ますね」
飲みかけだったらしく、すっかり冷めてしまっている。
「ありがとうございます、美織さん」
コップを受け取ると、お茶を注ぎに行った。
この学校の生徒会室には給湯室のような場所がある。
「おい、烈。
俺と美織は早く上がる」
「星夜、それは困るよ。
この書類の山を見て分からないのか?」
「美織が居なくても出来んだろ、そんなもん。
今までだってそうだったろ」
「とてもじゃないけど間に合わないね。
これだけの量だよ?
それに美織さんは星夜と違って真面目に仕事をしてくれるから、助かるんだよ。
ミスもないし」
一呼吸置く。
「という訳で美織さんに帰って貰っては困る。
帰りたければ星夜1人で帰りなよ」
「美織が残んなら俺も残る」
「はいはい、じゃあ星夜も手伝ってね、仕事」
「なんで俺が...」