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香国 ー駆ける兎の話ー
第1章 駆ける兎の話
真っ黒い気持ちを抱えたまま二人に駆け寄る。
今日は今日の務めを果たさなくては。例え七日の後にはここを出て行くにしても。
私は土の国を治める立場に立つ。まだ会った事もない婿がねと添って、まだ見たこともない国に行って。
不安でも怖くても、そうしなくちゃならない。私は土に帰るのだ。
多分、それが正しくて、…そういう事なのだ。
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