第2章 **#洛山バスケ部#**
葉「よーし、指三本でいいかな?」
レ「やな感じねぇ。」
すっごくうるさい音が鳴り響きました。
あのドリブルにはついていけません。
赤「今日は調子が良さそうだな、小太郎。」
「はい。いつも見てて楽しいです。」
兄上は部活の時もどんな時でも、大人の目です。
優しくてちょっと厳しいのです。
葉「・・・ってぇ!足打った!打った!」
根「変なステップするからだろ。」
葉「だって、レオ姉がしつこいし!」
コタ、人のせいにしてはいけません。
でもすごく赤くなっています。
打撲・・・でしょうか?気になります。
赤「みるく、一応見てやれ。」
「あ、はい。コタ~!」
触るととても痛そうにします。
なんだか腫れてるし、治せるかな・・・。
「ちょっとだけ我慢出来ますか?」
葉「もちろん!・・・いてっ!!!」
ん、やっぱり打撲ですね。酷くないけれど。
ボクは慣れた手つきで処置をした。
葉「凄い!全然痛くない!さっすが!」
「応急処置ですから、明日酷くなったら病院ですね。」
ボクはただ、マッサージしただけなんです。
帝光時代からみんなを回復させてきました。
赤「あれがキセキの世代を支えた少女だ。短時間で全ての痛みや疲労を治す力・・・。」
この力で応急処置ぐらいは出来ます。
完全には治せないから、骨折は痛み消しぐらい。
試合の時には便利なんです。
疲労回復も、数十分だけど効きますし。
「もう、あんまり怪我はしないでくださいね。」
ニコニコ笑顔で練習に戻っていくコタ。
試合でならもっと活躍出来るのかな、ボク。
赤「黒子は、どうだった?」
「・・・兄上の心配してました。」
そう言うと、少し驚く兄上。
黒は本当にみんなを大事に思ってて。
「きっとまだ寂しいんだと思います。」
赤「寂しい・・・?」
「帝光時代が、忘れられないって目をしてました。」
ボクも忘れられないですよ。
兄上だって輝いていたのです。
赤「・・・みるくも、寂しいか?」
「え・・・。みんながいた頃は、輝いていたから。ボクも、兄上も、みんなも。」
ボクだけ、取り残された気がするんです。