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君のそばにいたいから。~黒子のバスケ~

第4章 兄として


~赤司~

息が乱れて、顔を赤くするみるく。
今日は一段と可愛い。
兄が言うのもどうかと思うがな。
…腹違いの妹を好きになったのは、ずっと昔。

『お父様ぁ、お母様はどこ…?』

父の腕に抱きついて、泣いていた。
君はまだ…5才くらいの小さな子だった。

『お母様、死んじゃったの…?』

父『ごめんな、みるく。』

泣きながら謝り続ける父の姿を覚えている。
父には全く似ていなくて…驚いた。
赤い髪以外は、母に似たのだろう。

父『この子が、お兄様だよ。』

『お兄様……?』

くりくりとした大きな瞳で僕を見てきた。
悲しそうで、儚げで…。
その姿に胸が苦しくなった。

『よろしくお願いします、お兄様。』

ぐっと涙を堪えて、頭を下げる。
なんてしっかりした子だろう。
今思えば、辛い事だったのに。

『兄上~!!みんな待ってますよ?』

そして中学生になった。
後にキセキの世代と呼ばれる仲間に会った。
君は、よく笑う子だったけど。
……そのぶん、無理をしていた。

『大丈夫ですよ?兄上。』

大丈夫なんかじゃない。
わかっていたんだ、本当は。
ずっと痛みを抱えて生きてきた事を。
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