第15章 竜(ドラゴン)の力
「来たか!!」
「ごめんよ皆、遅くなったね。すぐ動ける者をかき集めて来た」
「1-Aクラス委員長 飯田天哉!!ただいま戻りました!!」
校長先生を始め、ミッドナイト、プレゼントマイクや、更にはB組担任のブラドキングまで来てくれた。
「…これが貴女の狙いでしたか」
黒霧が悔しげに八雲を見る。
『先生方の足音は聞こえてたから、時間を稼げれば何でもよかったの。流石にプロヒーローが大勢来るのは想定外でしょう?』
派手に目を引く演出。まだ何かあると思わせぶりな態度。それはヒーロー達が駆けつけるまでの時間稼ぎだったのだ。
「あーあ…来ちゃったな…ゲームオーバーだ。帰って出直すか黒霧…ぐっ!!!」
再び銃声が響き、今度は死柄木の左肩に銃弾が当たる。慌てて黒霧が死柄木を回収しようとするが、復活した13号の“個性”で苦戦している。
「今回は失敗だったけど……今度は殺すぞ。平和の象徴オールマイト」
負け惜しみにも聞こえる宣戦布告を残した死柄木は、黒霧と共に消えていった。
『“今度”か…次は何を仕掛けてくるんだろ』
…多分、これが始まりなんだ。
この世界が“闇”と“悪”に覆われて、染まっていく。
マスターメイビスが予言した日。
私は、この世界を救う為に来た。
『…もっと、強くならなきゃ』
今のままでは、誰も守れない。
私は拳を固く握り、改めて覚悟した。
この世界を救う覚悟を。