第13章 敵との戦い
「すげぇ…反応速度…つーかそんな冷静な感じだったっけ?おめぇ…もっとこう…」
_死ね!!死ね!!死ねーっ!!
「俺はいつでも冷静だクソ髪野郎!!」
「ああ、そっちだ」
「ケッ!!じゃあな、行っちまえ」
「待て待て」
広場の方へ向かおうとする爆豪を引き止める切島。
「ダチを信じる…!男らしいぜ爆豪!ノったよ、おめェに!」
爆豪の男らしさに感動した切島は座り込んでいる暁の両肩に手をかけ、苦しげな彼女の目を真っ直ぐに見つめる。
「暁、お前はここにいろよ。この辺にいた敵(ヴィラン)は全部片付けたからしばらく安全だと思う。すぐに先生呼んでくるからな」
『………』
暁は心配そうに揺れる瞳を二人に向ける。
「大丈夫だって!心配すんな」
「てめェはどうせ何にも出来ねぇんだから大人しく座ってろ!」
そう言って二人は部屋を飛び出した。
『(…二人とも…でも…)』
ふと頭を過(よ)ぎる敵の姿…何も出来ない自分が情けなく見える。
『………』
首が崩れている原因は十中八九死柄木弔の“個性”だろう。彼は手に触れたものを崩れされる事が出来るようだ。現に“水流拘束(ウォーターロック)”で捕まえた時、彼に破壊されてしまった。あれは水が彼の手に直接触れていたせいだろう。
『(私だってヒーローになるために、ここにいる!首が痛むくらいで動けなくてどうするの!)』
暁はゆっくりと立ち上がる。敵が広場にいることは分かっている。確かあそこには…
『(_モード〈水竜〉)』